有給休暇を申請したら「忙しいからダメだ」と言われました。
退職する間際に「有給休暇を消化します」と申し出たら、「引き継ぎがあるからすべてはダメだ」と言われました。
このような相談はしばしば舞い込みます。
有給休暇は正当な権利
有給休暇は労働者に与えられた正当な権利です。労働者が期日を指定するだけで有給で休むことができます。
使用者に、その理解がなく拒否しようとする人がいるのです。
時季指定権と時季変更権
有給休暇の取得する時季は、取得の理由に関わらず、労働者が自由に決められます。これが時季指定権です。
ただし、休暇の取得によって会社全体の業務に著しい影響が出る場合に限って、会社は、時季変更権を行使することができます。
時季変更権は、単に人手不足だから、忙しいからという理由では使えません。単に忙しいだけで労働者が有給休暇を使えないなら、いつになっても有給休暇を使えないことになるからです。
また、時季変更権は、有休の取得の拒否ができる権利ではありません。
有給休暇の取得を拒否されたら
もし有給休暇の取得を拒否されたときのことを見ていきましょう。
まず、「有休取得を言い出せる雰囲気ではない」というケースがありますが、これは有給休暇の取得を申請するところから始めましょう。現在では、年10日以上有給休暇を発生する労働者については、年5日を消化させることというルールになっていますから、有給休暇の取得を申し出ましょう。
次に、申請しても拒否してくる場合は、その理由を質しましょう。時季変更権は滅多に使えるものではありませんが、もしそうだとしたら、いつなら有給休暇を取得できるか聞いてもいいかもしれません。
退職間際の場合
退職間近に有休を消化することもよくあることです。引き継ぎを求められることがありますが、それはそれで業務として必要ですが、かといって、有休消化を拒否される理由にはなりません。
もともと、日常的に有給休暇を利用できるようになっていたなら、そんなことになっていないでしょう。
また、時季変更権は別の勤務日に対して振り替えるので、もし退職日までのすべてが有給休暇で取得できるなら、会社は時季変更権を使いようがないことになります。
もっとも、退職時に限り、有休の残日数を買い取ることは違法ではないとされます。会社側が「退職日まで働いてほしい。有給休暇の残日数分は買い取る」と申し出てくるというのであれば、条件次第でそれに応じてもかまわないでしょう。
とにかく休む
有給休暇は時期指定してしまえば、その日は有給で休めます。使用者が時季変更権を使うと言わない以上、なんと言おうと休みましょう。
休んだあとの賃金がどうなっているか確認してください。もし、減額されていたら、有給で休ませなかったことになります。
そうしたら、労働基準監督署に申告してください。
パワハラになるケースも
有給休暇の取得を巡って、使用者がパワハラまがいの言動をすることがあります。
そうしたパワハラは許されることではありません。できれば録音しておきましょう。
ユニオンで解決も
有給休暇を気持ちよく利用できない会社は、労使関係がうまくいっていない証拠です。労働基準監督署に申告して一度は正せても、またすぐに元の姿に戻ります。
そういうときのためのユニオンです。
職場の労働者がみんなで集まって、よりよい職場を作ることが大切です。有給休暇を取ることは、よい会社を作ることにつながり、労働者も定着し、生産性も向上します。会社にとってもよい変革です。
有給休暇の取得に目くじらを立てる使用者は、目の前のもうけしか考えていません。
にいがた青年ユニオンは、労働組合のない会社の労働者も加入できる労働組合の一つですが、お近くにもユニオンがあるでしょう。検索して探してみてください。
会社に有給休暇を拒否されたら
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