休憩時間をきっちり取れていないとき

新型コロナウィルス感染症は、感染リスクを負いながら働かなければならないエッセンシャルワーカーと、外食を控えたため厳しい経営を強いられた飲食のように、二極化しています。

賃金の低く人手の足りない職場では、休憩時間すら削られることがあります。

休ませる義務があるのは使用者

労働基準法は、休憩時間についてこのように定めています。

使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。

労働基準法第34条第1項

労働時間が6時間を超える場合、つまり、6時間1分以上なら、働いている時間の間に休憩時間が必要です。休憩時間が取りにくいからといって、始業時刻からすぐに休憩してはいけないし、就業時間のすぐ前に休憩時間を設定してはいけません。

労働時間が8時間を超える場合は、途中に1時間の休憩が必要です。

この休憩時間は、「少くとも」とあるように、時間が長くなる分にはかまいません。病院の診療で午前と午後に分かれている場合や、飲食店の昼過ぎなどに見られます。

前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。

労働基準法第34条第2項

これが「休憩時間の一斉付与原則」です。誰かが働いていて、自分だけ休んでいるのは気が引けるという理由です。

工場だとお昼にラインを止めてしまえばいいのですが、客商売だと難しいという場合があります。そのときは、労使で決めれば、休憩時間をずらすことができます。

使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。

労働基準法第34条第3項

ところで、休憩時間とは何かですが、働く時間ではないし、賃金も支払われません。ですから、使用者からなんだかんだと指示されるいわれはありません。労働者は、自分の時間ですから、自由に使うことができます。

忙しいから休憩できない……?

労働者から、こんな声を聞きます。

仕事の手が離せないから、休憩できません。

人手が不足していたり、お客さんが押し寄せたりする場合です。

先ほどの労働基準法は、労働者に対する命令ではなく、使用者に対してです。使用者の責任で休憩させなければなりません。人手が不足しているのであれば、採用しなくてはなりませんし、お客さんが押し寄せるなら、場合によってはお店を閉めてでも休憩させなくてはなりません。労働基準法は、それほど重いものです。

しかも、働かせた上、賃金も払わないとなったら、二重に労働基準法違反です。

労働組合として交渉して改善させよう

労働基準法違反なら、労働基準監督署に申告すれば、改善されることがあります。

この場合、まずは、使用者に対して、ちゃんと休憩時間を取らせること、働いた分の賃金を払うことを求めるところから始まることになります。しかし、職場の力関係を考えたとき、それを誰でもできるわけではありません。

労使の個人折衝は難しいので、労働者が集まって、労働組合として交渉することをおすすめしたいと思います。

休憩が取れないのは、労働者みんなの問題です。

労働組合は、すぐに作れます。周りの労働者に働きかけて、労働組合ですと名乗るだけです。規約等を作り、みんなで取り組むことになります。もし、作ることに自信がなければ、地域で活動する労働組合があります。一般労組、合同労組、ユニオンなどと名乗っていますので、お住まいの地域にないか検索してみてください。

法違反なのですから、必ず解決できます。仲間の力を信じて取り組んでみてください。

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にいがた青年ユニオンとレインボーユニオン

2008年に誕生した労働組合。労働条件だけでなく、暮らしや健康問題にも強い関心を持つ。どこに住んでいても、どのような働き方でも加入できることから、2020年に「レインボーユニオン」に改名。にいがた青年ユニオンは、レインボーユニオンの新潟県支部になる。

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