コロナ禍で業績の悪い会社もあります。休業手当を払い、雇用調整助成金を利用することで、雇用を維持している会社もあるでしょう。この場合、労働者を解雇すると、助成率が低下します。
そうはいっても、使用者によっては、労働者を解雇しようとするでしょう。それが、あなたの番かもしれません。そのときどう対処するのが正解か、確認しておきましょう。
解雇なのかお願いなのかはっきりさせる
解雇の話が出ると、大概の人は頭が真っ白になります。業績が悪く、そろそろかなということもありますが、だとしても、やはり現実のものになるとあわてるでしょう。
まず、解雇なのか、退職してほしいというお願いなのか、それをはっきりさせましょう。
解雇は、使用者から一方的にクビにする、雇用契約を破棄するというものです。それに対して、退職のお願いというものは、労働者から雇用契約を破棄してほしいという交渉です。まるっきり違います。
それを尋ね返したとき、口を濁すようであれば、それは退職勧奨という、退職をお願いしてきた状態だと考えていいでしょう。
お願いはお願いでしかない
あなたも誰かにお願いしたことはあるでしょう。その場合、断られることがあります。なぜなら、それはこちらの都合であって、お願いでしかなく、相手には相手の都合があるからです。
いまは、退職してほしいとお願いされているのですから、それは相手の都合であって、こちらにはこちらの都合があります。この職場を辞めたくない、その後の生活が心配などこちらの都合を考えて返事をしましょう。
解雇なら解雇予告が必要
それでも、やはり解雇するんだと言ってきたら、それは一方的に雇用契約を破棄するという意思表示です。
ところで、雇用契約が即日で打ち切られるのなら、大変なことになります。労働者は生活に困り、会社だって営業に支障が出ます。そのため、無期契約の場合は、どちらからであっても14日前には通告しなければいけないことになっています。
しかし、それでも労働者が2週間後に仕事を失うということになったら、とんでもないことになります。そのため、労働基準法は、使用者は労働者に対して30日より前に通告しなくてはいけないと上書きしてくれます。そして、それを保証するために、30日より前に通告しない場合は、解雇予告手当を支払わせる仕組みになっています。
解雇が有効かどうかは別問題
では、30日より前に解雇の通告がされれば、どんな理由であっても解雇が有効なのでしょうか。
- あなたのことが気に入らない
- あなたの態度が嫌
- いつまでたっても仕事が上達しない
- 能力が低い
- 給料を払うだけばかばかしい
こういうことを平気で言う使用者もいるんですが、これらは解雇の理由にはなりません。
「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」(労働契約法16条)とされています。
これだけだとよくわからないかもしれませんが、誰が見ても納得する理由がなく、社会一般で考えてもやむを得ないのでなければ、解雇はできないというものです。具体的には、どうしても個別で判断しなければなりませんが、みなさんが考えているほど、解雇のハードルは低くありません。
まずはこれ!
これらがわかったところで、まずは何をするかです。
- 解雇なのかそうでないのか聞き返す。
- 解雇の理由は何か、文書で求める。
解雇の理由を記した文書は、解雇理由証明書と言います。後になって、あれやこれやと理由を付け加えたり、取り消したりする使用者がいるので、それを防ぐためのものです。
それができたら、労働組合や弁護士に相談してください。会社に労働組合がなくても、たとえば私たちレインボーユニオンのように地域で活動する労働組合があります。あなたのお住まいの地域にもあるはずなので、検索してみましょう。
解雇の話が出てきた!そのときどうしたら
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