世の中には、いろいろな仕事があります。そうした中でも、労働者としてではなく、個人事業主扱いされて、労働者保護の外に置かれる人たちがいます。
労働者と個人事業主の違い
労働者は、労働力を時間売りする人です。使用従属関係が強いため、労働者を保護するための法律が定められています。
一方、個人事業主は成果を求められます。期日さえ守れば、その途中経過をどうしようと構いません。いつ仕事をするか、どんな方法で仕事するか、下請けを使うか、場合によっては仕事を断るかなどは基本的に任されます。
ここに家を建てる大工さんがいます。この人は労働者でしょうか、個人事業主でしょうか。
正解は、どちらもありえるです。誰かに雇われる形で大工の仕事をしているケースもあれば、建設会社の下請けとして個人事業主になっているケースもあれば、いろいろです。ですから、注文主から見て、どちらかはわかりません。
アニメーターはどうでしょう。アニメーションの制作過程で、作画行程の原画を描く人たちです。
正解は、これもどちらもありえるです。アニメーション制作会社に入社して描く労働者もいます。独立してフリーランス(個人事業主)として働く人もいます。
大工もアニメーターも、高い技術の必要な仕事です。こういう業務になればなるほど、労働者と個人事業主の境目があやふやにされます。労働者でも歩合給になっていたりします。
労働者を個人事業主に置き換えられるか
タニタのこんなツイートが物議を醸しました。
労働法をちょっとかじっていたらわかるお話なんですが、昔からある古典的な脱法行為です。
説明したとおり、個人事業主は成果は求められても、途中経過はすべて本人に任されます。労働時間も好き好きです。仕事を断ることもできます。あくまでも取引先と同じ扱いです。
もともと労働者だった人を個人事業主だからと契約形式を変えたところで、実態がそれほど変わらないなら、やはり労働者のままですから、雇用保険や社会保険料を免れるためだけのやり方と言われても仕方のないことです。
この曖昧なままで、たとえば労働災害が発生したらどうなるか、「過労死」が発生したらどうなるか、紛争の元となります。また、同業他社に対して不公正な競争を仕掛けていることにもなり、社会的な問題だとも言えます。
タニタの例はわかりやすく表に出たわけですが、それ以外にも、契約形式だけ委託にしている場合があります。早めに対処するようにしましょう。
個人事業主扱いされて報われない
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