どれだけ働いても月給が固定されていたら

こんなご相談です。

嘱託職員として雇われました。月給20万円の約束です。ですが、残業しても「嘱託である以上、給料は固定されている」と言われて、残業代を払ってくれません。どうしたらいいでしょうか。

委託ではない

下請けの形を取っている場合が考えられますが、この場合はそうではありません。業務を独立して行っているわけではないからです。

請負であれば、請負料金だけですが、労働者として働いているので、残業が発生すれば、残業代を受け取ることができます。

固定残業代には注意

固定残業代を含んでいる可能性がありますが、この場合もありえません。なぜなら、「月給」として20万円を受け取っているからです。

固定残業代とは、一定の残業時間の残業代に相当する手当をあらかじめ受け取る仕組みですが、たくさん残業した場合、その手当を超えた残業代を受け取る必要があります。また、これが成立するには、固定残業代が固定残業代として明示されて、固定残業代らしい性質を持っていなくてはなりません。

まず計算しよう

時間単価を計算するには、まず1ヶ月の労働時間を計算しなくてはなりません。年間の休日数はわかるはずなので、そこから1年間の勤務日数がわかります。1日で8時間働くなら、掛け算すると、1年間の労働時間数が計算できます。12で割れば、1ヶ月分になります。

月給は20万円なので、1ヶ月分の労働時間で割ると、1時間あたりの賃金がわかります。これが時給です。

タイムカードをもとにして、いくらにならなければならないかを計算します。

労働時間の原則は、「1日8時間、週40時間、週1日の休日」です。ここから外れた分は、時間外割増、休日割増が必要で、深夜時間(22時から翌5時)に働くと深夜割増が付きます。

受け取った20万円と差が出たら、その差は払ってもらわなくてはなりません。

未払いがあったとき

未払いがあったら、事業主に請求しましょう。払ってくれないときは、労働基準監督署に申告しましょう。申告したことを理由に不利益に扱うことは違法となっています。報復を怖がらず、申告してください。

弁護士や労働組合に相談する方法もあります。

あきらめれば、モヤモヤした気持ちが残ります。もし、それを忘れてしまうことができたとしても、実は同じことは誰かの身に降りかかります。残業代未払いは、泥棒であり、労働者いじめです。大人としていじめを見逃すことを許してはいけません。

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にいがた青年ユニオンとレインボーユニオン

2008年に誕生した労働組合。労働条件だけでなく、暮らしや健康問題にも強い関心を持つ。どこに住んでいても、どのような働き方でも加入できることから、2020年に「レインボーユニオン」に改名。にいがた青年ユニオンは、レインボーユニオンの新潟県支部になる。

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