3月になりました。今月末で契約更新という方も多いのではないでしょうか。有期雇用契約の場合、更新があるかないか不安になると思いますが、それをなくすための権利があります。それが無期転換権です。
更新のたびに不安
雇用契約には、期間の定めのある場合があります。オリンピックのための施設をつくるとか冬の間のスキー場で働くとかのように期間を定めることに意味のある場合もあります。しかし、そういう場合以外にも使われています。
契約の更新が使用者に委ねられてしまうと、労働者は不利な立場に置かれます。何か気に入らないことがあろうものなら、契約更新しないの一言で、職を奪われることになります。
もちろん、繰り返し契約更新が行われ、更新が形式的でしかないのなら、雇い止めは簡単に認められません。しかし、それは最終的に裁判で決着を付けなければなりませんから、誰にとってもハードルが低くはありません。
期間の定めのない雇用契約に変更
実態として無期雇用契約と変わらない労働者は、無期転換権を使えます。この権利は、会社が教えてくれません。知らない方も多いでしょう。
まず、雇用契約の内容は、法律に違反するものでない範囲で、労使で自主的に決められるものです。
その条件の一つに、雇用期間があります。労働条件は、労使の合意があるとき、変更することができます。逆に言えば、合意がなければ、労働条件は変えることができません。
しかし、無期転換権を労働者が行使すると、使用者の同意がなくても、雇用契約の期間の定めの部分は、期間の定めなしに変更されます。
無期転換権を使える条件
無期転換権を使えるようになる条件を見ていきましょう。
まず、いまの職場に雇われてから5年になる日を含む契約期間内から申し込みができるようになります。
いまの職場で、切れ目なく働いていればいいですが、途中に6ヶ月働いていない期間があれば通算期間がリセットされます。
申し込みは、しかるべき立場の人に行えばいいですが、できれば、口頭よりは文書で行った方がいいでしょう。
無期転換の申し込みを行うと、いまの契約期間が終わり、その次の雇用契約が期間の定めのない契約に変わります。
問題解決は労働組合で
この無期転換権を巡って、いくつかの争いがあります。
まず、無期転換権の生じる5年に対して、それ以上更新しないことを始めからうたって募集することがあります。
また、公務職場では適用にならず、いつまでも単年度の更新だけということが起きています。
無期転換の申し込みをすると、その次の契約から無期雇用に変わるということから、契約更新せず雇い止めすることがあります。
無事に無期転換されても、期間の定めの労働条件だけが変更されるだけで、賃金その他の労働条件まで自動的に正社員なみになるわけではありません。
無期転換権は、働き方が不安定な労働者のための制度ですが、まだまだ足りない制度です。
本格的に活用するには、労働組合に加入して、使用者と交渉しながらより安定的に働けるようにする必要があります。
規制強化が必要
無期転換権が作られたのは、有期契約労働者の働き方を安定化させるためでした。
そもそも有期契約である必要性のない働き方なら、最初から無期契約を結んだものとみなせばよいだけです。
無期転換権は、そのような入口規制ではなく出口の規制ですが、それにしても5年は長すぎです。
放っておけば、使用者側は、無期転換権を骨抜きにしようとするでしょう。規制を強めるためには、労働組合に集まって、少しでも労働者に有利な制度にするとりくみをしましょう。
知っていますか?無期転換権
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