職場に勤めていると、働く人の権利が軽視されていると感じる時がある。とりわけ非正規労働者の権利に対してはなおさらだ。そんな中、私は部署のスタッフたちに、事あるごとに法令や労働契約の話をしてはユニオンへの加入を勧めていた。
派遣の男性にも声をかけたが、宗教上の理由で拒絶されてしまった。想定外の返事に驚きつつも、彼の信仰を曲げさせるわけにいかず、それ以上は何も言えなかった。しかし、ユニオンに加入できなくても同じ職場で働く仲間として、彼は兄弟も同然のかけがえのない存在だ。今までと同じように接し、彼の権利が守られるようにさりげなく気を配った。
ある日、仕事の後に仲間たちと労働条件と労基法の話をしていたら、兄弟が離れたところにいた人にも声をかけ、連れてきてくれた。私は雑談のつもりだったが、思いがけずミニ学習会のようになった。兄弟は集まったスタッフの後ろに立って真っすぐに私を見つめ、力強くうなづいていた。思想信条がちがっても労働者同士の信頼関係を築き、権利意識を浸透させることはできるのだと実感したできごとだった。居心地の良さからこの部署を離れたくないというスタッフは多く、雇止めなどでいったん退職しても、私たちを慕ってふたたび入社した人もいる。仲間たちを温かく受け入れ、誰に対しても待遇上の不利益が及ばないようにするのが私のポリシーだったが、ますますその思いを強くした。心のつながりを大切に、これからも兄弟・姉妹たちとともに気持ちよく働ける職場を実現していきたい。
信頼関係を築く
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