労働組合に入ると、経営者と対立して仕事しにくくなるのではないかと不安に思う方もいるでしょう。
会社が労働組合員に対して差別的な取扱いをすることを「不当労働行為」と呼ばれ、禁じられています。
労働組合法で保証される
労働組合は、その活動が労働組合法で保証されています。組合活動の結果として、会社側に損害が発生しても、組合活動自体が不当でなければ損害賠償を請求できません。
たとえば、ストライキを行ったため、組合員が業務に就かず生産がストップしたとしても、会社は損害を受け、労働者は労務提供を拒否しているので、形式的には契約違反です。しかし、労働組合法は、ストライキ中の賃金カット以外、組合員に対して不利益取扱いはできません。
不当労働行為の例
以下のような使用者の行為は、不当労働行為です。
- 使用者が「組合から脱退しなければ解雇する」と言った。
- 使用者が入社時に「組合に入らなければ採用する」と言った。
- 組合が解雇された組合員の解雇撤回を申し入れた団体交渉に対して、「解雇した労働者とは雇用契約がないので交渉に応じない」と言った。
- 会社と交渉しても、権限のある役員が出席せず、「持ち帰って検討する」としか答えない。
- 組合員であることを理由に昇給させない。
- 組合が賃上げを要求して交渉を申し入れているのに、団体交渉に応じない。
- 組合が賃上げ要求して交渉しているのに、理由も示さず「賃上げできない」の一点張りである。
- ストライキを構えている組合員に対して「ストライキに参加すれば解雇する」と言った。
- 組合幹部を忌避して、解雇、配置転換、昇格差別などを行った。
- 使用者が、組合とは別の新組合(第二組合)を作らせた。
- 使用者が第二組合にばかり組合事務所や組合掲示板を認めているのに、組合には認めない。
- 組合が不当労働行為に対して、労働委員会に救済申し立てしたところ、「取り下げなければ解雇する」と言った。
- 会社が偽装倒産し、組合員を解雇して、新会社を設立して、非組合員のみ採用した。
- 組合を作ろうとした労働者を解雇した。
救済を申し立てよう
不当労働行為に対しては、労働委員会に対して救済を求める制度があります。
労働者と直接雇用契約を結んでいる雇用主の他、親会社、業務委託先の会社、生産手続き中の会社、労働者を実態として支配している場合、労働組合法上の使用者と見なせることがあります。
労働者や労働組合から、使用者の行為が不当労働行為に当たると思われる場合、救済申し立てを行います。
その後、公益委員、労働者委員、使用者委員からなる担当者が選ばれます。
担当委員は、申し立て内容について労使双方から事情を聞き取り、争点整理を行います。
和解の機運がある場合は、円満な解決のため労使の主張を調整することがあります。
その後、公益委員で協議がなされた後、救済命令や棄却命令が出されます。
命令に不服がある場合は、中央労働委員会に再審査を申し立てたり、裁判所に命令の取り消しを求める訴訟を提起することができます。
面倒に感じるかもしれませんが、提出する書面は、自分たちで考え、作成することが次のステップに繋がります。
労働組合と会社の対等な関係づくりは、社会正義の実現に不可欠です。不当な差別に屈するのではなく、正義の旗をきちんと立ててたたかいましょう。
組合員だからと言う理由で差別されませんか
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