会社に入社するとき、退職するとき、解雇されるときには、それぞれ条件があります。では、労働組合はどうでしょうか。
会社の場合
入社というのは、労使で雇用契約を結んだときです。それ以前に、「内定」という状態になることもありますが、これも時期が来たら雇うという約束なので、会社側から内定後に採用を取り消すことは、簡単にできません。
退職は、労働者側から雇用契約を打ち切ることですが、基本的に退職日を通知するだけです。雇用契約の時に約束事があったり、就業規則に書かれていたりすることもありますが、基本的には退職日から2週間前に退職する意志が伝わればOKです。
解雇は、会社側から雇用契約を打ち切ることですが、こちらは簡単にはできません。その理由に合理性があるのかどうか、社会通念上相当なのかどうか、そういったことをクリアしなければ、解雇は無効です。同様に、有期雇用契約の雇い止めも同じです。期間が終了するから、ハイ終わりというふうにはならないときがあります。
労働組合の場合
労働組合に加入するケースですが、2種類あります。
一つは、入社時に労働組合に加入していないとそもそも労働者として雇ってもらえないので、加入させられるケースです。その会社は、ユニオンショップ協定を持っている会社で、労働者は基本的にすべて労働組合員です。
労働組合からすると、労働条件を低下させないことが目的ですが、場合によっては、御用組合になることもあるので注意が必要です。
もう一つは、自ら進んで労働組合に加入するケースです。ユニオンショップ協定のある会社でも、いくつもの労働組合がある場合は、当然選択することになります。もちろん、その労働組合に加入せず、地域にある労働組合に加入しても大丈夫です。
そうではなく、オープンショップの場合は、加入してもしなくてもいいのですが、いろいろな事を契機に、加入することになったとしましょう。
通常、労働組合に加入するには、その労働組合に加入届を出して、労働組合の総会や執行機関で認められれば、加入できるはずです。
これで、組合契約を結んだ状態。
組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる。
2 出資は、労務をその目的とすることができる。
民法667条
労働組合員になると、金銭的な負担(組合費の出資)と同時に、ニュースを作成したり配ったり、会議に出たりします(労務)。
と、契約の一種と考えたらわかるような気もするんですが、本気で契約だと考えると、団体で考えることから、おかしな部分がわさわさ出てきます。
契約というのは、相対立する意思表示から成立しているのですが、合同行為というのは数人が共通の権利義務の変動を目的として共同している法律行為を指しています。
なんだか、面倒な話ですね。
とはいっても、やっぱり契約なのか合同行為なのか、いろいろな人がいろいろ考えていたりします。
なんだか面倒な話ですね。
法律家でない私たちは、契約とか合同行為とか、そういう性質がどっちにも重なってあったり、そうでない性質もあったりなんだろうと思っていればいいのかなと思っています。ドイツや日本では合同行為でも、フランス法だと契約の一種なのだそうですから。
なんだか、面倒な話ですね。
基本的には、労働組合の場合は、民法ではなくて、労働組合法を検索するといいでしょう。ただし、労働組合法に直接書かれていないこともあるので、世の中一般にはどう考えるのかなという意味で、あちこち見てみて損はないと思います。
組合員になると、労働組合として何をするのか決める「有権者」となります。
連合団体である労働組合以外の労働組合(以下「単位労働組合」という。)の組合員は、その労働組合のすべての問題に参与する権利及び均等の取扱を受ける権利を有すること。
労働組合法5条2項3
もちろん、立候補すれば役員にもなれるはずです。株主総会ではないので、組合費の高い低いで票数が変わるわけではありません。ましてや職制だからいいとか悪いとかでもありません。ただし、公職選挙法が適用されるわけもないので、いろいろなことが起きたりします。
それはともかく、ぜひ積極的に関わってください。
さて、脱退したいときもあるかもしれません。民法の組合契約の項目には、こんな項目があります。
組合契約で組合の存続期間を定めなかったとき、又はある組合員の終身の間組合が存続すべきことを定めたときは、各組合員は、いつでも脱退することができる。ただし、やむを得ない事由がある場合を除き、組合に不利な時期に脱退することができない。
2 組合の存続期間を定めた場合であっても、各組合員は、やむを得ない事由があるときは、脱退することができる。
民法678条
先ほど述べたように、労働組合がこの組合契約を適用していいのかどうかわかりかねますが、逆に、労働組合を脱退してはいけないなんていう決まりがあったら、それはとても怖い話なので、基本的には、いつでも脱退できます。
脱退の方法は、労働組合の規約に書かれていることが通例です。書かれていなくても、いつでも脱退することができるはずですから、脱退届を出せばOKです。
また、除名されることもあり得ます。こちらも件の民法の項目から。
組合員の除名は、正当な事由がある場合に限り、他の組合員の一致によってすることができる。ただし、除名した組合員にその旨を通知しなければ、これをもってその組合員に対抗することができない。
民法680条
「正当な事由」が何かは、労働組合の規約に定めがあると思いますが、就業規則にある懲戒の項目に似ているはず。
一般的に考えて、労働組合の名誉を傷つけたとか、スト破りをして労働組合の正当な行動を邪魔した、会社側と内通して、労働組合を不利な立場にした、いつまでも組合費を支払わないなどが考えられます。
労働組合としての目的に反する行動を取れば、程度によりますが、除名されるのも致し方ないでしょう。
ちなみに、除名も含めて脱退した場合に、組合費などの組合財産の持ち分の払い戻しをどうするかですが、たいがいは「一度納めたものは返済しない」と規約等に書かれていることが多いはず。生協などで出資金を戻すケースはありますが、労働組合の場合は、聞いたことがありません。
にいがた青年ユニオンの場合
にいがた青年ユニオンの場合は、加入したいなと思ったら、まず連絡をしていただければと思います。連絡方法は、下にメールフォームやLINEで連絡できるボタンを設置してありますので、後ほどそちらからどうぞ。
やはり、納得して加入してもらいたいので、加入したいと思った理由や、もしかしたらそれ以上にいい方法があるかもしれないので、その場合は、そういう提案をさせてもらうことがあります。
加入届の様式はありますが、基本的に氏名や連絡先等の必要項目が書かれていれば、様式は自由です。
組合費の納入は、間違いがないようにできるだけ振込でお願いしています。月1回程度の会議があるので、そこでは複数人が見ていますので、手渡ししてもらっても結構です。
脱退したいときは、遠慮なく連絡してください。生活苦以外の理由の場合、引き止めることはありません。生活苦で組合費を納められない場合は、その相談の対応に切り替えます。なお、これまでに払った組合費についての持ち分はお返ししません。
にいがた青年ユニオンは、労働組合にただ守られている組合員ではありません。一人ひとりが強くなっていく過程を手助けするための労働組合です。もしかしたら、私たちから独立して、もっとすごい労働組合を作りたいと思う人もいるかもしれませんが、それは本当に大歓迎です。ぜひ、すべての労働者のために行動しましょう。
労働組合の加入、脱退、除名ってどういう条件がありますか
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