雇用保険に入っていますか

私たち労働者は、日々働き、暮らしています。仕事を失えば、少ない貯金を切りくずし、とたんに生活が苦しくなります。
そのような事態を少しでも緩和させるために、雇用保険があります。
雇用保険に適切に加入していますか。

雇用保険に加入できる条件

雇用保険制度は、労働者が失業したときに暮らしを支えたり、再就職に向けて支援する制度です。

事業主は、適用基準を満たす労働者について、ハローワークに届ける必要があります。
しかし、保険料負担を逃れようと届け出しない事業主もいます。そうすると、労働者が失業したときの給付について不利益を被るかもしれません。

雇用保険の適用事業所は、労働者を雇用するすべての事業所です。
そこで雇用される労働者のうち、（1）31日以上引き続き雇用されることが見込まれること、（2）1週間の所定労働時間が20時間以上であること、のいずれも該当する場合、雇用保険の被保険者になります。

雇用保険に加入した場合、事業主には労働者への通知書が渡されます。適切に加入したかどうか労働者が確認するための書類です。

もし、事業主に確認できない場合は、直接ハローワークに確認する方法もあります。

学生バイトの場合

学費が高いため、アルバイトをしている学生も多いでしょう。しかし、原則として昼間学生は、雇用保険の加入義務はありません。
ブラックバイトと呼ばれる悪質な働かせ方もあります。失業すると、学生生活が壊れる状態ですから、雇用保険を適用すべきではないでしょうか。

雇用保険を利用した助成金

労働者を解雇せず、休業させたりして雇用を維持するために利用される雇用調整助成金の制度は、このコロナ禍で活用されています。重要な役割を果たすこの助成金の財源は、雇用保険料の積立です。
まだまだ新型コロナウィルスの蔓延を抑えられない状況で、先が見通せません。助成金の申請には、労使で休業計画を立てる必要があります。申請手続きを面倒くさがる事業主もいますが、積極的に活用するよう働きかけましょう。

失業したら

失業したら、雇用保険の基本給付を受け取るための手続きを採りましょう。
会社から離職票をもらい、ハローワークで求職の申し込みを行います。離職票をなかなか出さない会社もありますが、その場合は、ハローワークに相談しましょう。
離職票に書かれている「離職理由」に異議ある場合は、必ずハローワークに相談しましょう。
初回説明会が指定されるので、必ず出席しましょう。その後、求職活動を行いながら、原則として4週間に1回、失業の認定が行われます。

職業訓練も

再就職のために職業訓練を受けることができます。国が行っているので、受講料は無料です。申し込みは、ハローワークで行いましょう。

苦しいから助け合い

産業革命の起きたイギリスで、失業したときのために労働者どうしが積立を行ったのが、労働組合の始まりとされています。このしくみはまさに雇用保険です。
労働者は、仕事を奪われると、暮らしが壊れることから、失業しないために使用者に頭があがりません。それは、労働条件を低下させ、社会を不安定にします。
そうならないようにする仕組みのひとつが、雇用保険です。こうした制度は日々変わります。わからないことは、ハローワークに聞くようにしましょう。