簡単に解雇に合意しない

新型コロナの影響で解雇・雇い止めの人数が、厚生労働省の集計で累計13万人を超えました。その中でも非正規労働者は、約6万人と深刻です。

あきらめないで

新型コロナを理由に経営が大変だからと言われると、解雇されても仕方ないかなと考えることは、ある意味、自然なことかもしれません。ですが、経営者も大変ですが、私たちも大変です。なぜ私たちだけが一方的に苦しむ必要があるでしょうか。

新型コロナで営業がうまくいかないのにそれを理由に解雇された件で争われていた裁判は、解雇無効と示しました。

そこまで争わなくてもと思うかもしれませんが、もう一度考えてみてください。再就職先を探すにしても、それまでの暮らしはどうするでしょうか。失業手当だけでなんとかなるのでしょうか。何の条件もなく、ただやめさせられなけばならないでしょうか。

そう考えれば、「まず、争う姿勢を見せて、そこからスタートする」という選択肢しかないことは明らかです。

そうしなければ、自分は何とかなっても、ほかの労働者や次世代も同じ目で苦しみます。

経営者には助成金

経営者には雇用を維持するための助成金があります。しかも、新型コロナの影響が大きいため、特例措置が執られていました。現在、縮小する傾向にあるといっても、助成制度がなくなるわけではありません。

こうした助成金も利用せず、ただ闇雲に解雇を強行することに道理はありません。

解雇には高いハードルがある

使用者と労働者は、自由な意思に基づいて雇用契約を結んでいます。力関係はかなりアンバランスですが、対等な立場で結ぶというのが建前です。

解雇は、使用者が労働者に対して一方的に契約を破棄することです。しかも、労働者には何の理由もありません。だから、解雇には高いハードルがあります。

これは、雇い止めにも言えます。たとえ有期契約だったとしても、繰り返し雇用されていれば、次も契約があるものという期待が生じています。世間一般でも、そうした繰り返し契約が見られます。期限が来たから、はい終わりというほど簡単ではありません。解雇予告が必要とされていることでわかるとおり、通常の解雇と同様の取り扱いになっています。

まず争う

解雇と言われたとき、その姿勢としてどうするかの選択を迫られます。ここは、結論的にどうするかはともかく、「争う姿勢を示す」ことしかありません。

ここで、「争わない姿勢を示す」を選択すると、何の条件も引き出せずに、会社を去ることになるからです。

たとえば、解雇された後の生活を考えて、退職金がほしいと思う人はいないでしょうか。

そうした場合、「争う姿勢を示す」という選択をしなくてはなりません。解雇を争うという条件と引き換えに、退職金を引き出す必要があります。

何かを得るためには、何かの代償が必要です。

労働組合を作ろう

使用者と労働者が対等な立場で雇用契約を結ぶべきだとしても、実際には、日々の暮らしが人質に取られている労働者は弱い立場に置かれます。そこで、この力のアンバランスを少しでも対等な立場に近づけるために、労働組合があります。そして、その権利は基本的人権のひとつです。

解雇を通告されて、その理由に納得いかないときは、労働組合を作りましょう。

私たちレインボーユニオンは、職場ごとに作られている労働組合ではありません。その地域に住む労働者なら、誰でも加入できます。そのような地域労組は、全国どこにでもあります。そうした労働組合に相談することも一つの手です。

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にいがた青年ユニオンとレインボーユニオン

2008年に誕生した労働組合。労働条件だけでなく、暮らしや健康問題にも強い関心を持つ。どこに住んでいても、どのような働き方でも加入できることから、2020年に「レインボーユニオン」に改名。にいがた青年ユニオンは、レインボーユニオンの新潟県支部になる。

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