いま、地方最低賃金審議会では都道府県別の最低賃金額が答申されています。答申後、異議申し出期間があります。
異議申し立てとは
異議申し出は、最低賃金法で定められた手続きです。
厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、前条第一項の規定による最低賃金審議会の意見の提出があつたときは、厚生労働省令で定めるところにより、その意見の要旨を公示しなければならない。
最低賃金法11条
2 前条第一項の規定による最低賃金審議会の意見に係る地域の労働者又はこれを使用する使用者は、前項の規定による公示があつた日から十五日以内に、厚生労働大臣又は都道府県労働局長に、異議を申し出ることができる。
最低賃金審議会の意見が公示されると、15日以内に異議を申し立てることができます。
2020年度、新潟ではこのような公示がホームページに掲載されています。
別紙を見ると、新潟県では、時給831円を最低賃金額とし、10月1日から効力が発生することになっています。
しかし、この公示には、どのような理由で時給が831円になったか書かれていません。
新潟日報の記事によれば、次のようなやりとりがあったと伝えられています。
新潟市中央区で開かれた審議会では、専門部会での議論が報告され、労働者側は、新型ウイルスの影響を最も受けるのが最低賃金の労働者だとして10円引き上げを主張。一方、使用者側は、雇用維持に努めつつ、最低賃金については据え置くべきだと訴えた。最終的には1円引き上げで全会一致に至った。
新潟日報 ウイルス禍、最低賃金1円引き上げ 新潟地方最賃審が831円を答申 2020年8月5日
これだけの情報で、どれぐらい説得力のある異議申し出ができるでしょうか。
異議申し出があると、労働局長は最低賃金審議会の意見を聞くことになります。
厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、前項の規定による申出があつたときは、その申出について、最低賃金審議会に意見を求めなければならない。
最低賃金法11条3項
同じメンバーの審議会で議論されるため、これまで異議申し出を受けて、再検討されたことはなく、異議申し出の意見は却下されています。さらに、例年、新潟では、異議申し出に関する審議は非公開にされていますし、ますます県内労使の関心は金額だけに集中し、その決定の経過から離れています。
しかし、最低賃金は、多くの労働者は使用者に関係するものです。10月に入って最低賃金が改定されると聞かされるだけでなく、その決定過程もオープンにすべきではないでしょうか。異議申し出のプロセスは、その一つになるでしょう。
異議申し出は、様式自由で県内の関係労使はだれでも提出することができます。ぜひあなたも提出してみませんか。
最低賃金:異議申し出してみませんか
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