経団連が大手企業の2021年冬季賞与・一時金の妥結結果(加重平均)を発表しました。
それによれば、妥結額(加重平均)は、前年比5.16%減の82万955円です。
賞与でもボーナスでもない
冬の賞与、冬のボーナスなどという呼び方をされますが、これは使用者の気持ちひとつで出されているものではありません。
私たちは、毎月支払われる定期の賃金とは別に支払われるため、一時金と呼んでいます。先程述べたとおり、使用者が労働者に対して一方的に与えるものではなく、労使関係の中で支払われるものです。
夏冬の一時金をあてにして、買い物をする方もいるでしょう。一時金は会社の業績がよかったから、労働者ががんばったから報奨として支払われるものではなく、私たちの生活に必要であるから支払われているものです。
一時金が出ない、少ない会社も
こんな相談がありました。
転職活動をしていました。一時金が出るというので、今の会社にしました。入社してみたら一時金はほんの数万円です。会社の先輩に聞いてみたら、毎年そんなもんだと言っています。騙された気がします。
確かに一時金が出ない、ほんの数千円から数万円しか出ないという会社はたくさんあります。
就業規則でいつ、いくら支払うと決めていれば、会社は支払わなければなりません。支払いがない場合は、労働基準監督署に申告をして指導してもらうことができます。
しかし、いつ支払う、どれだけ支払うか定めがない場合は、労使交渉で解決しなければなりません。
まず周りの労働者と一緒に、労働組合を作るところからスタートするでしょう。そして、組合結成書と要求書を作成し、会社に提出します。会社と対等な立場に立ってテーブルにつきましょう。
労働組合にはそうした話し合いのできるパワーがあります。組合員が一人ひとり会社からいじめられるのではないかと心配するかもしれません。もちろん、労働組合にはそれを防ぐ力もあります。
労働者の中には、中立的な立場に立つように見えて、会社側に通じる人も出てくるでしょう。そんなことには負けず、私たちの目指す未来を語り、全員の力で今やるべきことをやっていきましょう。
憲法では、労働条件の向上は労働者自らの力で行ない、最低限度は、法律でこれを定め、労働基準監督署が守らせるような形になっています。
この国が自由で、かつ民主主義な国であるからこそ、私たちの不断の努力が必要です。
いまの働き方が最低限度ギリギリではないにしても、健康で文化的な生活が営めているか、子どもの教育費をきちんとまかなえるか振り返って見てください。
そして、自分の力を信じてください。
冬の一時金も生活設計の一部
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