シフト制でも労働時間ははっきりさせるべき

週ごとや月ごとにシフトが示されて働くことは、当たり前にあります。しかし、今回これが大問題になっています。

新型コロナウィルス感染症が拡大する中、飲食業や旅行業で休業することがありました。この際、シフト制で働く労働者に対して、「シフトがないから休業手当は払わない」という事業主が出てきたのです。つまり、先月は月15日働かせた、今月は10日働かせた、だが、来月は4日、再来月のことはわからない、というような感じです。

そこで、厚生労働省が、シフト制の場合にどうすべきか、労働者向け、使用者向けのリーフを作成し、公表しました。

シフト制の場合でも労働時間をはっきりさせよう

まず、留意事項の本文を見てみましょう。

まず、始業・終業時刻です。

労働契約の締結時点において、すでに始業及び終業時刻が確定している日については、その日の始業及び終業時刻を明示しなければなりませんので、労働条件通知書等には、単に「シフトによる」と記載するのでは足りず、労働日ごとの始業及び終業時刻を明記するか、原則的な始業及び終業時刻を記載した上で労働契約の締結と同時に定める一定期間分のシフト表等をあわせて労働者に交付するなどの対応が必要です。

このとおり、労働時間を曖昧にしないようにと注意しています。

また、シフト確定後の変更についてもこう述べています。

基本的に、一旦シフトを確定させた後に当該シフト上の労働日や労働時間等を変更することは、労働条件の変更に該当します。 労働契約法第8条では、「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。」とされていることを踏まえ、確定した労働日、労働時間等の変更は、使用者及び労働者双方が合意した上で行うようにしてください。こうした変更が円滑にできるようにするために、シフトの変更に関するルールとして、例えば、以下の事項について、あらかじめ使用者と労働者で話し合って、合意しておくことが考えられます。

シフトの期間開始前に、確定したシフト表などにおける労働日、労働時間等の変更を使用者又は労働者が申し出る場合の期限や手続

シフトの期間開始後に、使用者又は労働者の都合で、確定したシフト表などにおける労働日、労働時間等を変更する場合の期限や手続

なお、パンフレットも作られています。

労働者向け:「シフト制」で働くにあたって知っておきたい留意事項

使用者向け:「シフト制」労働者の雇用管理を適切に行うための留意事項

このように、今後のたたかいに活かせる部分もあります。しかし、これだけでは不十分です。特に本人の希望ではなく、短時間労働や労働時間の不安定な働き方をせざるを得ない場合が広がらないように、規制が必要です。

たとえば、月○時間の労働時間は賃金保証する、シフトは○日前までに作成し労働者に示すといった方法が考えられます。世界的には、こうした規制がどんどん作られています。

今回、提示された「留意事項」の水準に留まることなく、もっと進歩させましょう。そのためには、一人では戦えません。ぜひ、レインボーユニオンのような労働組合に加入してください。

お問い合わせ

シフト制でも労働時間ははっきりさせるべき

この記事が気に入ったらいいね!しよう

にいがた青年ユニオンの最新ニュース情報をお届けします


Xでも最新ニュース情報をお届けしています。


LINE公式から相談できます。

にいがた青年ユニオンとレインボーユニオン

2008年に誕生した労働組合。労働条件だけでなく、暮らしや健康問題にも強い関心を持つ。どこに住んでいても、どのような働き方でも加入できることから、2020年に「レインボーユニオン」に改名。にいがた青年ユニオンは、レインボーユニオンの新潟県支部になる。

相談する
最新情報をチェックしよう!