今回は、プラットフォーム型の新しいタイプの働き方をする人のお話です。具体的には、フードデリバリーの人です。
フードデリバリーの配達ドライバーをしています。
都会に行くと自転車に乗って、保温バックを担いで走る人を見かけますが、私のような地方都市では、そういう人は見かけません。私は軽自動車で配達しています。
フードデリバリーだけで生活できる収入はありません。あくまでも副業なんだなと思います。
スマホの通信費や車関係とかガソリン代は自分持ちです。これは、経費として落ちるものの、出費として大きいです。
仕事はこんな感じに受け取ります。
まず、ドライバーアプリをスマホにインストールします。
運転免許証や自動車保険証は、アプリの指示通りにカメラで撮影して送るだけです。審査完了までちょっと待ちます。
保温バッグは買っておく必要があります。UberならUberのショップがありますが、Amazonでもロゴなしのバッグが売っています。特に指定がありませんので、何でもいいんです。
出かけるときは、一般常識としての服装が求められます。たとえば、サンダル履きはダメとかビリビリに破れたジーンがダメとかですかね。ですが、制服はありません。制服がないので、お店の人も、お客様も不安にならないのかなと思ったりしますが、いろいろな対策のためだと思います。
配達の範囲に出かけていきます。仕事が来ると、スマホが鳴り出します。画面にこんな仕事だ、最低いくらは保証するといった表示が出て、一定時間内に承諾すると、自分がその仕事をすることになります。
最初はおっかなびっくりでした。会社と違って、誰も教えてくれません。実際、ミスをしましたが、その対処もぜんぜんダメでした。そうしたカバーは、スマホからサポートに連絡します。電話でなく、文字でのチャットです。慣れないうちは大変です。
仕事を受けてから、お店へ行き、お客様のところへ移動するまで、だいたい15分ぐらいかな。
お店では、アプリに表示された番号をいい、合い言葉にします。お店の人と言葉を交わすのはそれだけです。
お客様のところでは、置き配も多いので、そうしたときは商品を玄関前に置きます。置き配以外に、ただ手渡すだけ、現金を受け取るといった方法もあります。そう長く言葉を交わすわけではありません。
そういう意味では、かなり孤独な仕事です。
15分ぐらいの配達が終わると、その場に取り残されるわけですが、そこからどこへ移動するかは自由になります。
この働き方の怖いところはいくつかあります。
労働者でなく、個人事業主として扱われるので、仕事中にけがをしても労災になりません。特別加入という方法が採れるようにはなりましたが。雪道で転んで肘を強く打ったときは、焦りました。病院へ行かなくてはならないのか、いくらかかるのか、明日からの仕事はどうするのか、そうしたことが不安になるわけです。
仕事があるときはありますが、ないときはないのです。仕事の密度が一定になりません。労働者の場合、問題になるのは長時間過密労働でしょうか。あるいは逆に仕事がなくて休業するといったときです。個人事業主だと、仕事が多すぎると感じれば仕事を拒否すればいいのですが、仕事がないときはそれはUberしだいであって、休業の補償はありません。
配送料がどう決められるのか不明です。最低いくらという金額は提示されます。何分ぐらいの予定だという時間も出ます。ですが、なぜその金額なのかはわかりませんし、交渉権もありません。仕事にはトラブルがつきものですが、そうしたトラブルに巻き込まれると、結果としての配送料は増えます。増える分にはいいじゃないかと言われるかもしれませんが、その増加分が適正かどうかはわかりません。
この働き方は、個人事業主的ですが、ですが労働者的でもあります。いっそ、その中間的な働き方だと定義づけて保護すべきです。
この配達ドライバーのようにUberの作ったAIで左右される仕事だけでなく、超短時間労働(スキマバイト)というようなおかしな働き方も出てきました。
AIとスマートフォンのなせる技だと思いますが、人間がそれに振り回されるようになったらおしまいです。
ウーバーイーツで配達ドライバーをする人の話(1)
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