毎年夏に最低賃金の引き上げをめぐるニュースが流れ、10月に改定されています。最低賃金の改正を伝えるポスターを見たことがあるかもしれません。
昨年は、新型コロナウィルス感染症の感染拡大を理由に、最低賃金の引き上げ幅はごく少額でした。
いまの最低賃金には、3つの問題があります。
一つ目は、金額の水準が低すぎることです。
いま、新潟県の最低賃金は、時給831円です。全国加重平均でも902円でしかありません。フルタイムで働いても、月収は13万円代ですから、生活は大変です。
この収入額では、家族生活を営むことは困難です。個人個人がどのような家族生活をつくるかは自由ですか、この人間社会を維持するなら、一組の夫婦が2人の子どもを育てることが可能なしくみでなければなりません。いまの最低賃金の金額では、それは不可能です。
最低賃金の影響率は年々上昇しており、最低賃金が上がることによって賃金の上がる労働者は増えています。学生のバイトや主婦パートだけに影響するのではありません。最低賃金の引き上げは、労働者全体の賃金を引き上げることにつながります。
二つ目は、地域の間で大きな格差があることです。
最も高い東京都で1013円、最も低い秋田県なとで792円です。1時間はたらくと、221円の差ができます。月収にすれば3万円以上の差です。
必要な生活費は、そこまで差はありません。都会では住宅費が高くなる一方、地方では、自家用車がなくては仕事に行くことができないからです。自家用車は維持するだけで年間30万円かかります。地方暮らしだから、お金がかからないというのは迷信です。
三つ目は、最低賃金額を決めるプロセスが不透明なことです。
最低賃金の金額は、最低賃金審議会が決めています。審議委員は、大学教員や弁護士などの公益委員、労働組合から労働者委員、経済団体から使用者委員の三者で構成されます。最低賃金の影響を大きく受けるのは、非正規労働者や零細事業主ですが、その代表者はいません。
法律上、審議にあたり、関係する労働者も使用者も誰でも意見を述べることはできますが、他の審議会とは異なり、気軽にパブリックコメントを出すことができません。
しかも、実質的な金額を決める会議は、ほとんど非公開とされており、傍聴ができません。傍聴できなくても、議事録は作られますから、情報公開制度の手続きを利用すれば読むことはできます。ですが、議題の中心的な交渉部分は「休憩」や「個別折衝」として記録すらされていません。
つまり、審議委員や厚生労働省の担当職員を除いて、私たちはこの国の主権者なのに、どのような理由で決まったかわからないまま、金額だけ押し付けられています。
最低賃金を大幅に引き上げれば、低賃金で働く労働者は、地域でお金を使います。
それと、零細企業への支援策を一体に行えば、地方経済の好循環が起きるでしょう。賃上げする素地は整うことになります。
昨年、まったく金額の上がらなかった東京では、多くの労働者が異議申し立てを行い、注目を浴びています。一人でも多くの人が声をあげれば、いまの状況を良い方向に変えることができるでしょう。
レインボーユニオンは、自分たちの労働条件だけでなく、労働者全体の利益になるように行動する労働組合です。もし、最低賃金のことや自分の賃金、家族の賃金について、不思議に思ったり、疑問を持っていたら、ぜひ相談してください。
また、私たちも参加している最低賃金大幅引き上げキャンペーンは、各地で集会などにとりくみます。4月に秋田からスタートです。
いっしょに最低賃金を引き上げませんか
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