中央最低賃金審議会は7月22日、今年度の最低賃金の目安を示さないと答申しました。
最低賃金の引き上げ額の目安を巡る大詰めの審議は20日から3日間にわたって開かれました。厚生労働省によりますと、今年度の引き上げ額の目安は示されず、前の年の全国平均の時給901円で据え置きとなりました。新型コロナウイルスの感染拡大による経済や雇用などへの影響を踏まえ、「目安を示すことは困難で、現行水準を維持することが適当」と判断されたということです。目安が示されなかったのはリーマンショックが影響した2009年以来です。
テレ朝ニュース 最低賃金 経済の先行き見通せず「据え置き」に 2020年7月23日
地方審議会ががんばりどき
最低賃金審議会は、公益委員、労働者委員、使用者委員を同数で構成されています。
中央最低賃金審議会で、目安金額を示します。そして、各都道府県に設置された地方最低賃金審議会で、目安金額を参考にして金額を決定します。
中央目安が示されないということは、地方最低賃金審議会は「据え置き」を中心に独自に決めなければならないという意味です。
地方最低賃金審議会が独自性を発揮せず、中央審議会にならってただ据え置く判断を行うのなら、地方審議会はいらないことになります。地方審議会の置かれている意味を考えれば、いまががんばりどきです。
コロナ災害下だからこそ引き上げが必要だ
現在、急速に雇用環境が悪化しています。特に、時給で働く非正規労働者は労働時間が短くなり、収入が減少しています。
医療・介護や飲食・小売などの「エッセンシャル・ワーカー」は、コロナ禍で大きな不安を抱えながら過密な労働を強いられているのに、最低賃金近傍で働かされています。彼らの生活を支えることは社会的要請で、特に労働組合のない職場では、最低賃金の引き上げが賃金の引き上げに直結しています。
賃金を引き下げれば、購買力が落ちるのは自明です。つまり、地域経済を復興させることは不可能となります。最低賃金の大幅引き上げは、効果的な経済政策をみすみす逃すことになります。
骨太の方針では「雇用を守ることが最優先課題」としていますが、雇用は最低賃金とは関係なく、非正規労働者を中心にすでに失われています。最低賃金の引き上げ額を据え置かなかったとしても、雇用は失われていくのです。
最低賃金の引き上げやエッセンシャルワーカーの賃金引き上げなど、コロナ災害下だからこそやるべきことです。
また、最低賃金の地域間格差の問題は、残されたままになります。地方ほど大幅引き上げを継続すべきです。
運動を強めよう
最低賃金の大幅引き上げは、大きな仕事です。どれだけ多くの人に関心を持ってもらえるかが勝負です。
多くの労働組合が参加して、運動を強めなければなりません。
最低賃金「据え置き」判断
目安示さずは中央審議会の役割放棄だ
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