ちょっと生活が苦しいあなたも実は使える生活保護

仕事の時間が減ったり、見つからないということもあるでしょう。それだけでなく、休業が低い、小さな子どもがいて大変など、いろいろな生活上の困難はいつどこにでもあります。

そんなときに、生活保護を利用することができます。特に、地方では自動車を持っていると申請できないかも……と諦めてしまうかもしれません。でも、大丈夫です。

生活保護を利用する世帯が増加

厚生労働省が今月6日に、2021年7月分の「被保護者調査」を公表しました。

生活保護の申請件数は2万757件で、前年同月比1107件(5.6%)増加しています。生活保護を利用しはじめた世帯は1万7201世帯で、これも前年同月比1165世帯（7.3%）増加しました。

生活保護は、私たちの権利です。躊躇することなく申請しましょう。

生活保護を利用できる条件

生活保護が利用できるかどうかは、とても単純です。

国で決めた最低生計費より、あなたの世帯の収入が低ければ、その差額が生活保護費として支給されます。

最低生計費は、住んでいる地域、世帯構成によって変わります。

こんなときでも利用できる生活保護

最低生計費と、いまの収入を比較して、利用できるどうかが決まるだけです。

たとえば、働いていても生活保護を利用できます。いまの給料の額から、一定の経費を控除したものが収入となります。それと最低生計費の差額が支払われます。同じように、年金を受け取っていても、最低生計費に達しないのなら、生活保護を利用できます。

若いから働けるはずと言われても利用できます。今後、求人に応募していくにしても、それまでの生活費が足りないのですから申請しましょう。

持ち家があっても、生活保護を利用できます。持ち家が高価なら、売却して生活費に充てることは可能ですが、まずそういうことはありませんし、どっちにしろ目の前の生活費がないのです。

自家用車を持っていても、生活保護を利用できます。その自動車が高価で資産活があるなら、売却して生活費に充てることは可能ですが、そうでなければ、自家用車がなくては仕事にも行けません。

生活保護は、誰でも、どこに住んでいても申請できるものです。

親戚の援助は義務ではない

生活保護を利用しようとすると、親戚に援助させようとすることがあります。しかし、生活保護の利用条件は、最低生活費との比較であって、親戚の援助の有無ではありません。

申請が援助してくれるというのなら、それは援助してもらえばいいですし、それを収入と考えたとき、最低生計費と比較すればいいだけのことです。援助ができないか確認したとき、実際に援助できたケースは1割もありません。

また、虐待やDVなどの事情で、親族に居場所を知られたくない場合や、長年交流がない場合、未成年や主婦、高齢者など明らかに仕送りが期待できない場合は、問い合わせることを控えてもらいましょう。

まず申請から

生活保護を利用するには、まず、地元の役所で、「生活保護の申請をします」と言いましょう。もし、余裕があるなら、記帳された通帳や、家賃のわかる契約書、給料明細、健康保険証なども持って行くと話がスムーズです。

生活保護の申請に行ったときに、単に相談として扱って、その相談の中で、申請する気持ちを失わせる方法が「水際作戦」です。

一度水際作戦にあった人は、気持ちの面で立ち直ることが困難になり、また同じ窓口へ行けなくなるというものです。

あれこれあっても、まず申請しましょう。

申請すると、その後、調査があります。家庭訪問、資産調査、扶養照会などです。必要な書類があれば用意しましょう。

申請から14日以内（例外として30日以内）に決定があります。保護開始は申請日にさかのぼって生活保護費を受け取れます。

生活保護制度は、単に生活費を配るものではありません。それぞれの困難をともに解決していく制度です。ためらわずに申請し、もし申請窓口で追い返されたら、各地の支援団体に相談しましょう。

私たちレインボーユニオンは、労働組合です。労働組合と言っても、厳しい労働条件で働く組合員の集まりなので、場合によっては生活保護を利用しなければなりません。私たちは、ある組合員が行動しようというとき、他の組合員らと一緒にがんばる組織です。支援団体とはちょっと違うかもしれませんが、あなたの苦しみは、私たちの苦しみでもあります。なんとかしたいと考えているけれど、一歩が踏み出せないのであれば、ご連絡ください。