レインボーユニオンは労働組合ですが、生活保護に関する相談がよく寄せられます。ワーキングプアが広がっていて、そうした理由があるでしょう。
生活保護の制度がよくわからない、いくらもらえることになるのかわからない、利用するようになったら何か制約されるのかなど、いろいろわからないことはあるものです。
生活保護は生存権の具体化
生活保護の制度は、生存権といわれる基本的人権を支えるための具体的な制度です。
誰だって幸せになりたいと思っています。幸せな家族生活を送りたいと思う人もいるかもしれないし、お金持ちになりたい人もいるかもしれません。ですが、突然の不幸は、誰かの身に降りそそぎます。それは、生まれた環境によるかもしれないし、突然の事故によるかもしれないし、国の制度の不備によるかもしれません。
中には、そうした環境から抜け出せた人もいるかもしれませんが、その人は周りの人に恵まれたり、ラッキーだったからそうなっただけのことで、その人一人がすごいのではありませんし、そうならなかった人を蹴落としていいわけでもありません。
誰かの身に降りそそいだ不幸をみんなで支えることは、美しい助け合いであり、人類の知恵です。
生活保護の制度は、そうした理念を元にして、法律で定められたものです。
基本的に決まっている
生活保護の窓口がわからなくても、まずは市町村役場へ行きましょう。そこで相談して、申請する流れになります。生活保護をよくわからなくても、その内容はあらかじめ定められています。生活扶助の費用はいくら、医療費の扱いはどうで、家賃についてはこうするというのは、その窓口の人が決めるものではありません。
「生活が苦しい」「貯金はほとんどない」と思ったら、まずは、役場へ行ってみましょう。
ケースワーカーの中にはよく知らない人もいる
残念ながら、役所の窓口にいる人の中には、生活保護をよく知らない人がいます。そもそも運用を覚えるには多いこと、異動が早いこと、そして、公務員バッシングの影響で人員不足にさせられていること、誤った知識を先輩から聞いていることなどが挙げられます。
一番見られる誤解は、「生活保護を利用するためには自家用車を処分しなければならない」という説明です。
どこに誤解があるかは省略しますが、何を説明されても、とにかく「申請する」ということが大切です。
申請した後に、要件を満たさなければ却下されるだけだからです。一度、却下されたからといっても、そのときが来れば再び申請することができます。
その後も心配
生活保護を利用するようになったら、仕事はどうしたらいいだろう、病院へはどう通えばいいだろう、そもそもどんな生活をしたらいいだろうといった不安がたくさん生じるでしょう。
ですが、そういう不安のためのケースワーカーです。不安なことは相談したらいいのです。ケースワーカーは、あれこれ指示してくる人ではなく、自分が社会とどう関わりを持っていくか、一緒に考える立場の人です。
ただ、先ほど述べたとおり、ケースワーカーの中には制度をよくわからない人もいるし、人員不足で余裕のない人もいます。
厚生労働省の想定では、ケースワーカーは1人につき80世帯を受け持ちますが、実際には100世帯以上持たされているといわれています。
あせらない
生活保護を利用しなくていいようになりたいというのは、誰しもそうかもしれません。ですが、「溜めのない状態」になると、そこから抜け出ることは大変なエネルギーが必要です。
生活保護から自立するためには、金銭的に制度から卒業するのではありません。社会とどうつながりを持つか、焦らずにひとつずつ解決する姿勢が重要となってきます。
生活保護を利用できるかわからない
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