「長期に働ける人希望」と書いてある店頭求人を見ることがあります。応募するときは、長く働くつもりだという人もいるでしょう。でも、そうした状況は時間と共に変わります。早く辞めると告げたとたん、違約金を求められるケースがあります。
契約期間について確認を
「長期で働ける人募集」と書かれていたとしても、アルバイトを始めるにあたっては、その他の労働条件も決めなければなりません。使用者には、労働条件明示書を労働者に渡す必要があります。そこに契約期間が書かれているはずです。
期間に定めがある場合とない場合があります。
期間に定めがあれば、基本的にはその期間は働く、働かせるということが約束になります。
期間に定めがなければ、民法や就業規則に基づいて、退職する日の何日前に使用者に届け出ればいいことになっているはずです。
なお、期間に定めがあったとしても、健康上の理由や、ハラスメントを会社が放置するなど、さまざまな理由から期間途中で退職することは当然にあり得ることです。
辞めるだけで違約金はおかしい
実際に、にいがた青年ユニオンに持ち込まれた相談です。
雇い入れ当初から日をまたぐほど過酷な労働を強いられた結果、即日で退職。その後、会社側は本人と連絡がつかなかったため、賃金を一部不払いにしたまま、その保証人に60万円を裁判所経由で請求してきました。60万円の内訳は、広告費と急に本人がいなくなったための対応の人件費でした。
この60万円という金額。少額訴訟という方法で、弁護士を挟まずに簡易裁判所で進められる金額です。しかも、裁判なので、反論せずに放置すると、判決として確定し、強制執行されます。したがって、きちんと反論しなくてはなりません。
まず、広告費ですが、労働者を求人するのは、使用者の仕事ですし、それに、無料でハローワークでもできます。人を募集するための広告費を請求される理由はありません。
本人が急にいなくなったから代わりの人を使ったと言いますが、本人がいればその労賃を払いますし、代わりの人にも労賃を払います。会社に損失はありません。
そもそも、それだけの労働条件を放置しながら、労働者の責任だけを追及するのは誤りです。賃金不払いも労働基準法違反です。
このように、裁判沙汰になったとしても、立証責任は使用者側にありますし、きちんと反論すれば大丈夫です。
違約金の話に戻しますが、早く辞めたからといって、違約金を取られるいわれはありません。面接時に「長く働いてほしい」「長く働きたい」と意見が一致して採用されたのだと思いますが、時間が経てば、状況は変わります。法律や就業規則に基づいて辞めるだけで、何も問題はありません。
たとえば、逆に考えてみましょう。使用者が早く辞めろと言ったから違約金を払ってくれる。そんなことがあるでしょうか。
長く働いてほしい使用者は、労働条件を引き上げ、労働環境を整えればいいこと。労働者は、あまり気にする必要はありません。
バイト先から違約金を求められた
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