生活保護と自家用車について、不勉強なケースワーカーが散見されます。そのため、生活が苦しい、それでもがんばろう、でもつらい、仕方がないから役所へ行こう、生活保護はどんな制度だろうと順番に考えていっても、説明を聞いて、なおわからなくなります。
生活保護を利用するに当たり、「相談」という時間が取られます。生活ぶりを聞き取る時間ですが、無条件に「自家用車には乗れなくなります」と説明する人がいます。これは間違いです。よくある水際作戦のひとつです。
それにめげずに相談が終わると、「申請」の段階に進みます。そもそも、相談の段階で何を言われても、別の制度を紹介されない以上、生活がよくなるわけではありませんから申請すべきです。申請をためらうことも多いのですが、ためらうぐらいなら役所には訪れません。申請して審査を受けるわけですが、条件を満たしていなければ却下されるだけのこと。まず申請しましょう。
申請すると「今日から自家用車に乗らないでください」と言われることがありますが、これも間違いです。生活保護をまだ利用すると決まっていないのに、あれこれ指導されるいわれがないからです。
生活保護を利用するようになったら、資産の活用をしなくてはなりません。自家用車も資産ですから、活用を図る必要があります。では、何が何でも売る必要があるでしょうか。この考え方も間違いです。
ロールスロイスとかポルシェとかセンチュリーに乗っていれば売った方がいいでしょうし、高く売れるはずです。逆に売れないような車ならどうでしょうか。逆に処分費がかかります。
生活保護を利用するにしても、職場へ行くにはどうしたらいいでしょうか。公共交通機関が発達していなかったり、子どもを保育園に送り迎えするとき、夜勤があるような仕事の場合、自家用車は必需品です。特に、新潟ではそうです。
公共交通機関はあまりないところで、自家用車を使わなければ通院しがたいような環境もあるでしょう。それは医師に証明してもらうといいでしょう。
資産の活用には、そうしたものを含んで当然です。
自家用車を利用して仕事へ行く場合、受け取る賃金の中から、自家用車の維持費に相当する部分は控除されるので、役所への報告には忘れずに。
いまは失業しているが求職中だという場合、仕事していないからとの理由で自家用車を手放してしまったら、就職先が限られることになります。仕事先が見つかったけれども自家用車を買わなくてないけないとなったら、余計に費用がかかります。つまり、自立は一層遠ざかります。ですから、自家用車の処分はしばらく保留されます。
厚生労働省は、ある程度ですが自家用車の活用を想定して生活保護問題集をつくっています。ですが、現場に徹底されていません。ですから、ちゃんと知識を持って、ちゃんと主張することが大切です。全国には、生活と健康を守る会のような支援団体があります。そうした支援団体の力を借りるのもよいことでしょう。
生活保護を利用し始めたら車に乗るなと言われた
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