地域別最低賃金は、すべての都道府県で決められています。
その金額を決定する地方ごとの最低賃金審議会では、具体的な金額のやりとりをしながら進めていく専門部会の内容が、一部例外を除き明らかにされていませんでした。
2020年度の地域別最低賃金を決定した最低賃金審議会の議事録をホームページで公表しているところは、47都道府県中、42都道府県(レインボーユニオン調べ)となっています。情報の公開は一歩進んだと言えますが、密室審議をやめて、傍聴可能になるような運営にすべきです。
中心的な議論が密室審議
にいがた青年ユニオンが参加している「最低賃金大幅引き上げキャンペーン」では、2017年度の地域別最低賃金がどのように決められているか、情報公開制度を利用して、すべての議事録を集めました。
その際、議事録、議事要旨、次第、配布資料など、何らかの形で都道府県労働局のホームページにおいて情報を公開しているところは、6つでしかありませんでした。
集めた議事録を読み解く中で、あとで検証できるような記録をしていなかったり、情報公開を正しく行わなかったり、事務局の中立性の疑われるケースがありました。それを元に、厚生労働省と折衝しました。
その結果、厚労省も各労働局に対して、公開が原則であることを確認しました。
いまだに、専門部会は非公開で、傍聴できない状態が続いています。しかし、その協議は議事録として記録され、ホームページに掲載されることで、後日、手軽に記録を見ることができるようになりました。
残り5つの最低賃金審議会も、早急に議事録や資料をホームページで公開すべきです。
知ることから始めよう
最低賃金は、私たちの賃金を決めています。また、使用者にとっては、罰則をもって強制される金額ですから、知らないということは許されません。
その金額がどのように決められているかは、すべての労使にとって重要です。
最低賃金を決定する過程で、すべての関係労使は、個人でも団体でも意見を述べることができます。しかし、その意見がどのように参考にされ、また、どのようなデータが何に用いられたかわからないまま、結論が出されています。
知らなければ、意見を述べることはできません。それを表現し、社会を変えることができません。私たちは、いまの最低賃金の水準が低すぎると思っていますが、高くて困るという使用者がいるなら、そのことをきちんと議論できるようにすべきでしょう。
これは、民主主義のあり方に関わる問題です。
最低賃金審議会は、非正規労働者や零細業者の代表を入れ、公開で開催するよう求めていきます。
公開進む最低賃金審議会
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