休業手当の計算方法を正しく理解しよう

新型コロナウィルスのために、休業しています。休業手当が支払われることになったのですが、どれぐらいになるのでしょうか。

「基本給」の6割以上ではない

休業手当は、「平均賃金の60%」以上の額とされています。

したがって、「平均賃金」の計算方法を理解することが大事です。

大阪労働局のパンフレットを参考にしましょう。

平均賃金の計算は原則として、

事由の発生した日以前3ヵ月間に支払われた賃金の総額 ÷ 期間の総日数(暦日数)

です。

ただし、賃金締め切り日がある場合は、その起算日は直前の賃金締め切り日です。また、銭未満の端数が生じた場合、これを切り捨てることは差し支えないとされています。

「支払われた賃金の総額」には、通勤手当や残業代、精皆勤手当等も含まれます。

例外的に控除できる賃金等は、臨時に支払われた賃金(結婚手当等)、3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(ボーナス)、労働協約で定められていない現物給与です。

月給制の場合、次のような計算方法となります。

この例では、賃金締め切り日は毎月20日。休業が6月10日から開始したとすると、まず、3、4、5月分の賃金総額を計算します(21万円+23万円+22万円)。そして、総日数(30日+31日+28日)で割ります。

すると、1日の平均賃金は7415円73銭と計算できます。

休業した日数分と平均賃金を掛けて、その6割以上が休業手当として賃金支払期日に支払われます。

最低保証

しかし、この方法は、パートやアルバイトなど労働日数の少ない人に不利です。そこで、最低保証があります。

賃金の一部または全部が日給制、時間給制、出来高制の場合、賃金を実際の労働日数で割って0.6を掛けた金額を最低保証とします。

この例では、賃金締め切り日が毎月25日。休業が2月5日から開始したとすると、11、12、1月分の賃金総額を計算し、その期間の労働日数(15日+5日+15日)で除した金額の60%である5040円が最低保証となり、平均賃金となります。

賃金全額を求めよう

本来、使用者の責めに帰すべき事由による休業は、天災などの場合です。緊急事態宣言が出たとしても、休業手当の支払いまで免れるわけではありません。

私たちには、生活があります。平均賃金の6割では、いつもの収入の4割程度にしかならず、生活を営むには困難です。会社には、雇用調整助成金という制度があります。

債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。

民法536条2項

このように、使用者の責めに帰すべき事由によって労働者が就業できなくなった場合は、反対給付である賃金を受ける権利があると規定されています。会社には賃金全額の支給を求めましょう。

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