学生の間で、ブラックバイトが問題となっています。
ブラックバイトとは
ブラックバイトという言葉は、労働者を酷使するブラック企業になぞらえて 2013年に提唱されたのが始まりです。
つまり、ひどい働かせ方の最初は、正社員の問題でした。それが、近年はアルバイトに重要な仕事を任せることも増えてきたため、その負担がアルバイトにも広がってきたのが原因となっています。
ブラックバイトとは、違法性があったり、学生が学生生活とアルバイトの両立ができなくなるようなアルバイトのことです。正社員並みに働かせられることによって学業に支障をきたしてしまったり、シフトを一方的に決められることによって収入が減少して学生生活が困難になったり、逆に授業や課外活動に参加できなくなってしまったりするケースがあります。
このようなブラックバイトでは、違法行為もあります。
サービス残業をさせられる、休憩時間が与えられない、ノルマの未達成を理由に商品を買い取らされる、上司によるパワハラ・セクハラがある、アルバイトを辞めさせてくれないなどです。
ブラックバイトが広まった理由
パートやアルバイト、派遣などの非正規雇用を主戦力にする会社が増えてきています。つまり、人件費の抑制のために、かつては正社員がやっていたような責任の重い仕事が、学生アルバイトのような低賃金の非正規労働者に押し付けられるようになってきました。
高い学費、仕送り額の減少、返済が重くのしかかる奨学金制度によって、多くの学生は、アルバイトの収入がなければ学生生活を送ることが困難な状況にあります。アルバイトだからといって簡単に辞めることもできません。
こうした学生の状況につけこんで、学生アルバイトに正社員並みのノルマを課したり、違法な労働をさせたりする企業が増加しています。
特に、 飲食、小売、塾などのサービス業において、正社員を1、2名しか置かず、残りは全員アルバイトという職場が増えています。「補助的役割」であったはずのアルバイトが、「基幹的役割」の正社員と同様の働きをせざるを得ない労働環境が、この「ブラックバイト」という社会問題を生みました。
ブラックバイトの特徴
賃金の未払いや最低賃金以下で働かされるなどは、ブラックバイトの特徴です。また、レジのミスを給料から天引きされたり、職場で使用する物品の経費が個人負担になっているような環境も、ブラックバイトです。
- 準備や後片付けに要した時間の賃金が支払われなかった
- 生徒との面談や報告書作成の時間の賃金が支払われなかった
- 制服代を天引きされた
- 残業代が支払われなかった
- 仕事を覚えるまでは給料を払えないと言われた
- 試用期間が過ぎても給料を上げてもらえなかった
- いつまでも試用期間として働かされて給料を上げてもらえなかった
- レジのお金が帳簿と合わず、自腹で補填させられた
- 商品が売れ残った時、買い取りさせられた(自爆営業)
- 注文ミスをした際、買い取りさせられた
- クリスマスやお中元などのイベントでは、売上ノルマを課せられて、達成できないときは罰金を取られた
シフトや労働時間の管理があいまいさが問題となることも多いでしょう。また、希望していたシフトを大幅に減らされたり、逆に予定されていた時間よりも大幅に長く働かされたりといったことがあるのなら、ブラックバイトです。
- 人手が足りない、繁忙期だからといった理由で休ませてもらえなかった
- 労働時間が6時間を超えているのに休憩がなかった
- 一方的に急なシフト変更を命じられた
- 試験期間中にシフトを入れられた
- 学校行事の日にシフトを入れられたため、学校行事に出れなかった
基本的に仕事量に対してスタッフの人数が足りていない場合が多く、仕事を終わらせるために休憩時間を削ったり、サービス残業させる場合は、ブラックバイトです。また、無理矢理辞めさせないようにします。
- 今辞められたら困る、辞めるなら代わりの人連れてきてと言われ、長期間引き止められた
- 辞めるなら損害賠償請求すると脅された
- 辞めるなら最後の給料は最低賃金しか払わないと言われて脅された
ブラックバイトに引っかからないようにするには
ブラックバイトの特徴は、ブラック企業に似ています。そうしたブラックバイトに引っかからないようにしましょう。
まず、常に求人を出していないか観察しましょう。劣悪な環境のせいで、雇われてもすぐに辞める人が多くなります。そのため、いつも求人募集している、求人サイトで募集を出していることが多くなります。
面接時に求人条件と異なる条件を提示されないかどうか確認しましょう。あまりにひどい場合は、辞退した方がいいでしょう。
労働条件は必ず使用者が文書で明示しなければなりません。労働条件明示書はきちんと保管しておきましょう。また、面談で話し合った内容は、きちんとメモしておきましょう。
最低限度の働く基準
労働者は使用者に比べて弱い立場なので、労働者を保護する法律があります。その中でも有名な法律は、労働基準法でしょう。
使用者は、労働者を1日8時間、週40時間を超えて働かせることは原則できません。超える場合は、労使協定を結んで残業割増を支払わなければなりません。
1日の労働時間が6時間を超えたら45分、8時間を超えたら1時間の休憩が必要です。この休憩は、手待ち時間ではなく、労働者が自由に使える時間でなくてはなりません。
都道府県ごとに最低賃金が決められています。アルバイトであろうと試用期間中であろうと、最低賃金を下回ってはなりません。
ブラックバイトを辞めるには
ブラックバイトに注意していても、そうした職場に入社することはあります。そのとき、職場を改善させる方法と辞める方法があります。
辞めるときは、とにかく辞める意思をきちんと伝える必要があります。アルバイトだからと言って、無断でばっくれるのは辞めましょう。
あれこれ理由をつけて辞めさせようとしないことがあります。しかし、辞める意思を伝えた時点で、退職日には辞められます。それまでに有給休暇を消化しておきましょう。また、最後の賃金についてもきちんと請求しましょう。もし、そうした当然の権利をあやふやにしようとする姿勢があれば、専門家に相談しましょう。
専門家に相談しよう
ブラックバイトとはいえ、学費や生活費のことを考えると、すぐに辞められません。サービス残業や違法な天引きがある場合は取り返しましょう。
こうした場合、まず専門家に相談しましょう。
にいがた青年ユニオンもそうした窓口の一つですが、各地にいろいろなユニオン(労働組合)があります。こうしたところに相談しましょう。
役に立つのは、証拠です。会話の録音、メールやLINEのやりとり、勤務時間の記録、ハラスメントの記録、自腹で買い取りしたレシート、日記等です。
まずは、悩みが深刻になる前に、一度相談してみることがおすすめです。
ブラックバイトの特徴とその対策
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