新潟「派遣切り裁判」の和解にあたっての声明
新潟派遣切り裁判は2011年12月8日、新潟地方裁判所において金銭和解が成立しました。2008年末の事件発生以来、苦しい生活を強いられる中をたたかいぬいた原告と弁護団の奮闘に敬意を表します。
また、このたたかいを支援していただいた県内外の仲間のみなさんに心から御礼を申し上げます。
この事件は、原告の働き方は全く変えないまま、派遣先と派遣元が、両社間の契約を形式的に請負契約と派遣契約を切り替えて、派遣労働者に対する直接雇用の申し入れ義務を免れようと企て、さらにリーマンショックに合わせて整理解雇の要件を満たさないままに解雇したものです。
裁判の中では、派遣元は「偽装請負」との指摘について全く反論できず、さらには原告への健康配慮義務を果たさず、有給休暇の申請を直接受け付けていないなど、派遣先の経理担当に過ぎなかったことが明らかにされました。労働者派遣という制度が、いかに労働者の雇用に責任を負わないものであるか明確になったのです。
原告とにいがた青年ユニオンが感奮興起して裁判に訴えたのは、生活のために企業の理不尽な扱いに対して泣き寝入りしなくてはならなかった大多数の派遣労働者とともにたたかうことを誓ってのことでした。和解条項上、和解内容の詳細は述べられませんが、原告が救済されたという意味では、にいがた青年ユニオンとして勝利和解であると高く評価しています。一方、未だに多くの派遣労働者が泣き寝入りさせられており、労働者派遣法を派遣労働者保護法に改正する道はまだ半ばどころか、国会においては「派遣切りを繰り返すな」という世論と逆行した骨抜き法案が出されるなど、逆コースをたどっています。
にいがた青年ユニオンは、今回の結果をたたかいの教訓に、労働者派遣法の抜本改正と有期雇用の実効ある規制を求めます。そして、にいがた青年ユニオンの存立をかけて、派遣労働者をはじめ低処遇労働者の職場における権利確立と生活安定のために、今後とも奮闘することを表明するものです。
2012年1月14日
にいがた青年ユニオン
執行委員長 大嶋 陽